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洋上救急事業

海上の傷病者を救う世界唯一のシステム“海の救急医療”。
昭和60年の設立以来、出動は860件、救助人員は893名を数えます。
(平成29年7月11日現在)


洋上救急の概要(動画)

 下記より洋上救急の概要(動画)を見ることができます。

洋上における医師の派遣は、人命救助と船員福祉という人道的観点にたって1985年10月より日本水難救済会の事業として開始されています。
洋上救急事業は、医師を洋上へ派遣して、救急医療を提供する世界で唯一のシステムです。
本動画は、洋上救急の概要をまとめた動画です。
なお、洋上救急の概要(英語版)もYouTubeで聴取することができます。


船舶で傷病者が発生すると…

 我が国の周辺海域においては、遥か洋上の船舶内で傷病者等が発生し、緊急に医師の加療を必要とする場合、海上保安庁の巡視船・航空機等で医師・看護師等をその船舶まで急送して応急治療を行いつつ、最寄りの病院に救急搬送しています。

通報から救急まで

慣熟訓練

 洋上救急では、医師や看護師は巡視船やヘリコプターに乗組み、遥か洋上まで出動し、厳しい自然条件や巡視船・ヘリコプターの動揺、騒音等の悪条件下における救命治療が必要とされます。
 このため、全国各地域では多数の医師・看護師が訓練に参加し、ヘリコプタ−等に搭乗して訓練を行うなど、現場の状況を実際に体験して出動に備えています。



ヘリコプター搭乗訓練ヘリコプター搭乗訓練
 洋上救急の現場に向かうヘリコプターに搭乗する際の注意事項等を予め確認しておくことが必要です。





ヘリコプター機内での処置訓練ヘリコプター機内での処置訓練
 ヘリコプター機内は狭く騒音や振動が伴うので状況を体験するため訓練が必要です。

(写真提供:海上保安庁)


出動事例

  • 平成29年6月26日 03:45発生
    【発生位置】
     金華山灯台から70度約260海里
    【船種等】
     漁船(総トン数1,037トン 乗員24名)
    【傷病者】
     男性 47歳 三等航海士(中国籍)
    【傷病名】
     右背部肋骨骨折
    【出動医療機関、医師等】
     石巻赤十字病院(医師1名 看護師1名)
    【出動勢力】
     海上保安庁 仙台航空基地 ヘリコプターMH96 MH865
     機動救難士2名


    【洋上救急活動状況】
     平成29年6月26日午前5時38分頃、中国漁船の船主から第二管区海上保安本部に「乗組員が作業中にケガをしたので救助願いたい。」旨の通報があり、容態について、保土ヶ谷医療センターより医療助言を受けた結果、内臓に損傷のおそれがあるとのことから、午前9時45分、洋上救急の要請があった。午後2時52分、 機動救難士2名が同乗した仙台港空基地ヘリコプターMH965、石巻赤十字病院ヘリポートにて、医師1名、看護師1名が同乗し出発、午後3時25分、巡視船くりこまに到着し、看護師降機。午後5時7分、MH965は該漁船と会合し、患者を吊上げ収容した。午後6時17分、MH965は巡視船くりこまに到着し、午後7時4分、医師、看護師および患者同乗し、くりこまを出発。午後8時8分、石巻赤十字病院ヘリポートに到着し、患者を病院に引継いだ。



  • 平成29年6月15日 13:54発生
    【発生位置】
     釧路沖南東約570海里
    【船種等】
     漁船(総トン数798.48トン 乗員45名)
    【傷病者】
     男性 55歳 機関長(台湾籍)

    【傷病名】
     こん睡状態
    【出動医療機関、医師等】
     市立釧路総合病院(医師1名)
    【出動勢力】
     釧路海上保安部 巡視船そうや


    【洋上救急活動状況】
     平成29年6月15日午後1時54分、航行中の漁船から、台湾RCCを通じ、第一管区海上保安本部運用司令センターに対し、「乗組員1名がこん睡状態であり、日本の医療機関医師による早急な治療が必要であるため救助を要請したい」旨通報があり、午後3時28分同代理店から洋上救急の要請があった。午後4時30分 医師1名、市立釧路総合病院を釧路海上保安部官用車により出発。
     午後4時50分 医師1名、巡視船そうやに乗船し午後5時出港。16日午前0時4分、台北RCCを通じて、こん睡状態にあった傷病者が死亡した旨連絡があり、救助要請が取り下げられた。午前8時45分、巡視船そうや釧路港に入港し、医師が下船した。



  • 平成29年5月18日 13:07発生
    【発生位置】
     新島東方約2海里
    【船種等】
     客船(総トン数50,142トン 乗員475名 乗客673名)
    【傷病者】
     男性 84歳 乗客(日本国籍)
    【傷病名】
     腹部大動脈瘤破裂疑い
    【出動医療機関、医師等】
     亀田総合病院(医師1名)
    【出動勢力】
     海上自衛隊 救難ヘリコプターUH-60J

    【洋上救急活動状況】
     平成29年5月18日午後1時7分 客船から、船医により乗客1名が腸閉塞の疑いがあり、早急に医療機関への搬送必要」との診断を受け、海上保安庁へ洋上救急の要請があった。天候不良(雷雨)のため、海上自衛隊第21校空群(館山市)へ災害派遣要請を行った。午後3時4分、海上自衛隊UH-60Jに医師1名同乗させ亀田総合病院ヘリポートを出発。午後3時40分、UH-60Jが傷病者を機内に収容し、午後4時、亀田総合病院ヘリポートに到着後、患者1名を病院に引き継いだ。


    (写真提供:海上自衛隊)
  • 平成29年5月9日 04:50発生
    【発生位置】
     南鳥島西方135海里
    【船種等】
     かつお一本釣り漁船(総トン数499トン 乗員27名)
    【傷病者】
     男性 20歳 甲板員(日本国籍)
    【傷病名】
     負傷(顔面)血尿
    【出動医療機関、医師等】
     日本医科大学付属病院(医師2名)
    【出動勢力】
     海上保安庁 羽田航空基地 航空機LAJ501  特殊救難隊員2名  海上自衛隊 救難ヘリコプターUH-60J



    【洋上救急活動状況】
      平成29年5月9日午前4時50分、漁船から第三管区海上保安本部運用司令センターに対し、甲板員がデッキから落下し負傷との通報があり、医療指示を受けたところ、病院への緊急搬送の要ありと助言があったことから、午前8時40分洋上救急の要請を受けた。午前10時38分、特殊救難隊員2名及び日本医科大学付属病院医師2名同乗の海上保安庁航空機LAJ501は羽田空港を出発。午後0時39分、災害派遣要請を受けた海上自衛隊UH-60Jが負傷者1名吊上げ収容。午後2時33分、硫黄島にて負傷者をLAJ501に移乗し、LAJ501は硫黄島を出発。午後4時25分、羽田空港に到着後、患者1名を東京消防庁救急隊へ引き継いだ。



  • 平成29年5月3日 10:25発生
    【発生位置】
     石垣島から南西約150海里付近海域
    【船種等】
     貨物船(総トン数28,775トン 乗員22名)
    【傷病者】
     男性 27歳 甲板手(フィリピン国籍)

    【傷病名】
      心肺停止の疑い
    【出動医療機関、医師等】
     沖縄県立八重山病院(医師1名)
    【出動勢力】
     海上保安庁 石垣航空基地 ヘリコプターMH971
     機動救難士2名



    【洋上救急活動状況】
     平成29年5月3日午前10時25分、貨物船から「乗組員1名が心肺停止となっている。現在、AED及びCPRを実施中。」との通報が入り、午前11時40分、船舶管理会社から洋上救急の要請を受けた。午後1時5分、石垣航空基地所属のヘリコプターMH971に医師1名及び機動救難士2名を同乗させ石垣航空基地を出発。午後2時31分ころ同船から患者を吊り上げ収容し、午後3時22分ころ真栄里ヘリポートにて患者を救急隊へ引き継いだ。



  • 平成29年4月24日 16:00発生
    【発生位置】
     喜屋武崎から東南東約67海里
    【船種等】
     貨物船(総トン数94,710トン 乗員22名)
    【傷病者】
     男性 33歳 一等航海士(中国籍)
    【傷病名】
     胃潰瘍
    【出動医療機関、医師等】
     南部徳洲会病院(医師1名)
    【出動勢力】
     海上保安庁 那覇航空基地 ヘリコプターMH974
     機動救難士2名


    【洋上救急活動状況】
     平成29年4月24日午前11時21分ころ、貨物船から「23日から一等航海士が胸の痛みを訴えており、24日の朝、無線医療通信にて医者の診断を受けたところ、心臓疾患又は胃腸疾患の疑いがあり、すぐに病院へ搬送したほうがいいとの回答であったため協力願う。」との通報が入り、午後4時、船舶代理店から洋上救急の要請を受けた。午後5時5分ころ那覇航空基地所属のヘリコプターMH974が医師1名及び機動救難士2名を同乗させ那覇航空基地を出発。午後5時51分、同船から患者の吊り上げ収容。午後6時25分那覇航空基地に到着後、患者を消防救急隊へ引き継いだ。



  • 平成29年3月20日 01:08発生
    【発生位置】
     野島埼から真方位115度430海里付近
    【船種等】
     漁船(総トン数167トン 乗員17名)
    【傷病者】
     男性 33歳 機関員(日本国籍)
    【傷病名】
     脳出血の疑い
    【出動医療機関、医師等】
     東海大学医学部付属病院(医師1名 看護師1名)
    【出動勢力】
     銚子海上保安部 巡視船かとり
     海上自衛隊 救難飛行艇 US-2


    【洋上救急活動状況】
     平成29年3月20日午前1時8分、漁船から海上保安庁運用指令センターに、同船機械員が強い頭痛・手の麻痺・呼吸が苦しいと訴え、横浜保土ヶ谷中央病院医師に医療助言を求めたところ、脳出血の疑い、至急医療機関の診療が必要であるとの指示を受けたとの通報があり、午前2時10分、正式に洋上救急の要請があった。午前5時、海上自衛隊災害派遣要請受理。午前7時39分、海上自衛隊厚木基地のUS-2に東海大学医学部付属病院医師1名、看護師1名が同乗し、厚木基地を出発。US-2は現場海域荒天のため、着水不可のため、現場を離脱した。21日午後0時35分、該漁船は自力にて銚子港に入港した。



  • 平成29年3月18日 08:55発生
    【発生位置】
     愛知県伊良湖岬灯台から南東約41海里
    【船種等】
     貨物船(総トン数17,018トン 乗員22名)
    【傷病者】
     男性 46歳 船長(中国籍)
    【傷病名】
     急性腸炎
    【出動医療機関、医師等】
     名古屋掖済会病院(医師1名、看護師1名)
    【出動勢力】
     海上保安庁 中部空港海上保安航空基地 ヘリコプターMH714
     潜水士2名


    【洋上救急活動状況】
     3月18日午後8時55分、伊良湖岬灯台から南東約22キロメートル付近航行中のパナマ国籍貨物船から第四管区海上保安本部司令センターへ「船長が体調不良を訴えている。」旨の通報あり。要請者から洋上救急の要請を受け発動に至ったもの。
     18日午後11時45分 MH714中部空港出発(医師1名、看護師1名及び潜水士2名同乗)。19日午前0時05分 MH714 該船舶と会合。午前0時15分 MH714患者吊上げ作業開始。午前0時34分 MH714吊り上げ作業完了。午前1時00分 MH714中部空港到着。午前1時07分 患者を常滑市消防救急隊に引継いだ。



  • 平成29年2月9日 17:40発生
    【発生位置】
     千葉県犬吠埼から113度約250海里
    【船種等】
     貨物船(総トン数92,071トン 乗員22名)
    【傷病者】
     男性 53歳 甲板長(フィリピン国籍)
    【傷病名】
     脳出血
    【出動医療機関、医師等】
     日本医科大学付属病院(医師1名)
    【出動勢力】
     海上保安庁 羽田航空基地 ヘリコプターMH806
     特殊救難隊員 3名


    【洋上救急活動状況】
     2月9日午後5時43分 該船舶より「左腕、左脚が麻痺し、会話と自力歩行ができない乗組員がいる」旨の連絡があった。第二管区海上保安本部より横浜保土ヶ谷中央病院あて傷病者の状況を説明したところ、午後6時33分「早急に病院に搬送する必要がある」旨の医療助言を受け、該船舶経由で同船船主へ、洋上救急の費用負担について説明したところ、午後6時58分 船主より「必要なすべての支払いに同意し、洋上救急を要請する」旨の連絡があった。2月10日午前5時00分 日本医科大学付属病院医師1名、羽田航空基地到着。午前7時05分 羽田航空基地MH806、同医師及び特殊救難隊員3名同乗のうえ羽田空港を出発。午前8時22分 MH806、羽田空港東方150海里沖合にて該船舶と会合。午前8時46分 患者吊り上げ機内収容完了、現場離脱。午前10時20分 MH806羽田空港着、患者及び医師1名降機。午前10時40分 患者を東京消防庁救急隊に引き継いだ。



  • 平成29年1月28日 14:14発生
    【発生位置】
     沖縄県石垣島から190度82海里
    【船種等】
     貨物船(総トン数40,322トン 乗員25名)
    【傷病者】
     男性 35歳 甲板員(フィリピン国籍)
    【傷病名】
     右精巣炎
    【出動医療機関、医師等】
     沖縄県立八重山病院(医師1名)
    【出動勢力】
     海上保安庁 那覇航空基地 ヘリコプターMH974
     機動救難士2名


    【洋上救急活動状況】
     1月28日午後2時14分 該船舶管理会社から「貨物船船内にて、乗組員1名が1月24日から片側睾丸の腫れと排尿時の痛みを訴えており、27日に医療指示を受け、処置を行ったが、28日には高熱及び症状の改善がみられないことから救助してほしい」との通報が入った。午後3時30分 海上保安庁から運航管理会社に対して洋上救急の要請について確認したところ、運航管理会社が正式に要請したため、八重山病院へ医師の派遣依頼を行なった。午後5時00分 機動救難士2名が同乗した那覇航空基地MH974が石垣航空基地に着陸し、八重山病院の医師1名が同乗のうえ石垣空港を出発。午後5時37分 同船から患者の吊り上げ機内収容を完了。午後6時03分 石垣島真栄里ヘリポートに到着。午後6時05分 患者を石垣市消防救急隊へ引き継いだ。









    洋上救急発生海域図(平成29年7月11日現在 860件)

    洋上救急海域図

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