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洋上救急事業

海上の傷病者を救う世界唯一のシステム“海の救急医療”。
昭和60年の設立以来、出動は900件、救助人員は933名を数えます。
(平成30年11月12日現在)


洋上救急の概要(動画)

 下記より洋上救急の概要(動画)を見ることができます。

洋上における医師の派遣は、人命救助と船員福祉という人道的観点にたって1985年10月より日本水難救済会の事業として開始されています。
洋上救急事業は、医師を洋上へ派遣して、救急医療を提供する世界で唯一のシステムです。
本動画は、洋上救急の概要をまとめた動画です。
なお、洋上救急の概要(英語版)もYouTubeで聴取することができます。


船舶で傷病者が発生すると…

 我が国の周辺海域においては、遥か洋上の船舶内で傷病者等が発生し、緊急に医師の加療を必要とする場合、海上保安庁の巡視船・航空機等で医師・看護師等をその船舶まで急送して応急治療を行いつつ、最寄りの病院に救急搬送しています。

通報から救急まで

慣熟訓練

 洋上救急では、医師や看護師は巡視船やヘリコプターに乗組み、遥か洋上まで出動し、厳しい自然条件や巡視船・ヘリコプターの動揺、騒音等の悪条件下における救命治療が必要とされます。
 このため、全国各地域では多数の医師・看護師が訓練に参加し、ヘリコプタ−等に搭乗して訓練を行うなど、現場の状況を実際に体験して出動に備えています。



ヘリコプター搭乗訓練ヘリコプター搭乗訓練
 洋上救急の現場に向かうヘリコプターに搭乗する際の注意事項等を訓練時に確認しておくことが重要です。





ヘリコプター機内での処置訓練ヘリコプター機内での処置訓練
 機内は狭く騒音や振動が伴うので訓練時に状況を体験しておくことが重要です。

(写真提供:海上保安庁)


出動事例

  • 平成30年11月1日 22:50発生
    【発生位置】
     金華山灯台から真方位73度198海里付近海上
    【船種等】
     かつお・まぐろ・さんま棒受け網漁船(総トン数144トン 乗員17名)
    【傷病者】
     男性 64歳 司厨長(日本籍)
    【傷病名】
     多発性外傷
    【出動医療機関、医師等】
     石巻赤十字病院(医師1名 看護師1名)
    【出動勢力】
     第一管区海上保安本部 函館航空基地 ヘリコプターMH910
     機動救難士2名
     巡視船つがる
     航空自衛隊 救難ヘリコプターUH-60J 飛行機U125-A


    【洋上救急活動状況】
     平成30年11月1日午後10時50分ころ、操業中の漁船乗組員が作業中に右腕を負傷し、医療助言を受け洋上救急の要請に至った。石巻赤十字病院及び函館赤十字病院に対し出動を要請したが、距離等を考慮し航空自衛隊松島基地に災害派遣要請を実施、受理されたことから函館赤十字病院への要請は取り下げた。2日午前5時46分、救難ヘリコプターUH-60Jに医師、看護師同乗のうえ出動し、負傷者を吊上げ救助後、機内で応急処置をしつつ基地に到着後、患者を救急隊に引継いだ。


     
    基地での患者引継ぎの状況(写真提供:航空自衛隊)

  • 平成30年10月22日 07:40発生
    【発生位置】
     八丈島の南東280海里付近海上
    【船種等】
     かつお一本釣漁船(総トン数359トン 乗員23名)
    【傷病者】
     男性 62歳 機関長(日本籍)
    【傷病名】
     感染性腸炎疑い 肝障害 低Mg血症 低K血症
    【出動医療機関、医師等】
     亀田総合病院(医師1名)
    【出動勢力】
     第三管区海上保安本部 羽田航空基地 ヘリコプターMH686
     特殊救難隊員2名
     海上自衛隊 救難ヘリコプターUH-60J


    【洋上救急活動状況】
     平成30年10月22日午前7時40分、船舶所有会社から「急病人が発生したので救助願いたい」旨の連絡があり、横浜保土ヶ谷中央病院に医療助言を求めたところ至急医師の診療が必要であるとの指示があり、洋上救急の要請に至った。災害派遣要請を受けた海上自衛隊のUH-60Jは午前11時55分、亀田病院ヘリポートにて医師1名を同乗し出発し、午後4時6分、患者を機内に収容した。午後5時42分、八丈島空港において、UH-60JからMH686に医師、患者が移乗し、午後7時17分、亀田総合病院ヘリポートにて、同病院に患者を引き継いだ。



    海保ヘリコプター機内での医師による処置
     
    UH-60J(出典:海上自衛隊ホームページ)

  • 平成30年10月13日 09:35発生
    【発生位置】
     南鳥島西南西240海里付近海上
    【船種等】
     まぐろ延縄漁船(総トン数76.57トン 乗員11名)
    【傷病者】
     男性 36歳 機関員(フィリピン籍)
    【傷病名】
     ストレス性胃潰瘍の疑い
    【出動医療機関、医師等】
     東海大学医学部付属病院(医師2名、看護師1名)
    【出動勢力】
     海上自衛隊 航空機P-1 救難飛行艇US-2


    【洋上救急活動状況】
     平成30年10月13日午前9時35分、航行中の漁船乗組員1名が胸の痛みを訴えたことから、横浜掖済会病院の医療指示を受けたところ、早急に病院への搬送が必要であるとのことから、洋上救急の要請に至った。14日01時26分、災害派遣要請を受けた海上自衛隊のUS-2は医師等を同乗し、厚木基地出発。午前6時14分、傷病者を同機内に収容し、南鳥島に到着。午前8時45分同島出発。
     14日12時35分、海上自衛隊航空機「US-2」厚木基地に到着し、患者を救急隊に引継いだ。



  • 平成30年10月12日 00:00発生
    【発生位置】
     宮古島北側50海里付近海上
    【船種等】
     旅客船(総トン数47,861トン 乗員458名 乗客922名)
    【傷病者】
     男性 76歳 乗客(アメリカ国籍)
    【傷病名】
     心臓麻痺
    【出動医療機関、医師等】
     沖縄県立八重山病院(医師1名)
    【出動勢力】
     第十一管区海上保安本部 石垣航空基地
     ヘリコプターMH971 飛行機MA867
     機動救難士2名


    【洋上救急活動状況】
     平成30年10月12日午前0時35分、旅客船から「乗客1名が心肺停止となったことから洋上救急を要請する」との通報があった。午前3時44分、医師1名同乗のMH971が石垣航空基地を出発。午前5時8分、患者を機内へ吊上げ収容し、午前5時55分、真栄里ヘリポートにて患者を石垣市消防本部へ引き継いだ。



  • 平成30年9月29日 10:30発生
    【発生位置】
     硫黄島南方240海里付近海上
    【船種等】
     まき網漁船(総トン数349トン 乗員21名)
    【傷病者】
     男性 28歳 機関員(インドネシア国籍)
    【傷病名】
     心不全
    【出動医療機関、医師等】
     日本医科大学付属病院(医師2名)
    【出動勢力】
     第三管区海上保安本部 羽田航空基地 飛行機LAJ500
     特殊救難隊員2名
     海上自衛隊 救難ヘリコプターUH-60J


    【洋上救急活動状況】
     平成30年9月29日午前10時30分、航行中の漁船乗組員が胸の痛みを訴え、横浜掖済会病院に医療指示を受けたところ、早急に医師の診断が必要であるとの指示を受けたことから、洋上救急の要請に至った。午前4時38分、LAJ500に医師2名が同乗し羽田空港を出発、午前6時35分、硫黄島に到着。災害派遣要請を受けた海上自衛隊機UH-60Jは、午前5時52分、傷病者を吊上げ収容し、午前6時15分、硫黄島に到着、傷病者を医師に引継いだ。医師、患者が同乗したLAJ500は午前9時4分、羽田空港に到着し、東京消防庁救急隊に引継いだ。


     
    硫黄島での引継ぎの状況

  • 平成30年9月24日 15:13発生
    【発生位置】
     根室沖東北東423海里付近海上
    【船種等】
     貨物船(総トン数19,799トン 乗員22名)
    【傷病者】
     男性 38歳 甲板手(フィリピン国籍)
    【傷病名】
     脳溢血の疑い
    【出動医療機関、医師等】
     市立釧路総合病院(医師1名)
    【出動勢力】
     釧路海上保安部 巡視船えりも


    【洋上救急活動状況】
     平成30年9月24日午後4時14分、船舶管理会社から「貨物船の乗組員1名が体調不良につき、横浜のメディカルセンターに医療助言を求めたところ、脳溢血の疑いがあることから、洋上救急を要請する」旨の通報があった。午後9時55分、巡視船えりもに医師が乗船し、釧路港を出港した。25日0時0分、該船舶より傷病者の脈・呼吸が停止した旨連絡があり、午前2時48分、該船舶は救助要請を取り下げた。午前11時30分、巡視船えりもは釧路に入港した。



  • 平成30年9月19日 08:06発生
    【発生位置】
     石垣島から真方位143度220海里付近海上
    【船種等】
     LNGタンカー(総トン数122,361トン 乗員32名)
    【傷病者】
     男性 30歳 司厨員(フィリピン国籍)
    【傷病名】
     心肺停止
    【出動医療機関、医師等】
     沖縄県立八重山病院(医師1名)
    【出動勢力】
     第十一管区海上保安本部 石垣航空基地ヘリコプターMH972
     機動救難士2名


    【洋上救急活動状況】
     平成30年9月19日午前8時13分、船舶運航会社から「LNG船の乗員1名の意識がなく、呼吸・脈拍が微弱の状態で発見されたことから、洋上救急を要請する」旨の通報があった。午前11時、医師1名同乗のMH972が石垣航空基地を出発。午後0時15分、MH972は該船舶に着船し、医師により死亡を確認した。午後2時頃、MH972は石垣市真栄里ヘリポートに到着した。



  • 平成30年9月5日 07:37発生
    【発生位置】
     石垣島から真方位2度49海里付近海上
    【船種等】
     旅客船(総トン数51,309トン 乗員935名 乗客1,111名)
    【傷病者】
     女性 67歳 乗客(台湾籍)
    【傷病名】
     心臓発作
    【出動医療機関、医師等】
     沖縄県立八重山病院(医師1名)
    【出動勢力】
     海上保安庁石垣航空基地 MH972
     機動救難士2名


    【洋上救急活動状況】
     平成30年9月5日午前7時37分、船舶代理店から「旅客船にて急病人が発生し、船医の判断により、洋上救急を要請する」旨の通報があった。午前9時33分、医師1名同乗のMH972が石垣航空基地を出発。午前8時48分、該船舶から急病人を吊り上げ収容。午前9時47分、真栄里ヘリポートにて、急患を石垣市消防本部へ引き継いだ。



    傷病者吊上げ準備の状況

    救急隊員に患者を引継ぎ




洋上救急発生海域図(平成30年11月12日現在 900件)

洋上救急海域図

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